著者アーカイブ: ITM02

社内翻訳者として、10年以上のキャリアがあります。英語教室で英会話や外国文化を学びました。フリーランスではなく、派遣社員で英語の翻訳の仕事をしています。 外国語の翻訳作業において、最初に間違えてはいけないものとしてたたき込まれるのは、人名や地名の固有名詞です。現地の発音などを確認しながら、正しい表記を見つけるのが第一歩です。ここで、年配の翻訳関係の人が必ずと言って良いほど挙げるのが、アメリカ大統領、レーガンの発音についてのエピソードです。

俳優時代の彼の名前の発音は「リーガン」に近く、日本でもそのように表記されていたそうです。どのような発音をするグループに近いのか、政治的な背景もあったようですが、突如「レーガン」表記に変わった時の混乱ぶりというのは、多くの人が触れている、先輩方にとっての鉄板エピソードのようです。このほか、フランス語風に子音を発音しない表記にするのか、英語読みで発音した表記にするのかなども、気をつけるべきポイントです。「マルタン」、「マーティン」など、どちらが現地で使われている発音なのかなど、きちんと確認しなくてはいけないので、気をつけています。

難しいと思うのは、日本語の文章はマニュアルであっても簡潔に分かりやすく書いていないところです。ビジネス文書として、難しい言い回しで書いてあるのですが、英語でマニュアルを作る場合は、簡潔に分かりやすく書くべきなので、その違いが難しいです。なので、書いてある事をそのまま英語にするのではなく、その文章で伝えるべき事は何かを考えて、伝えるべき事を分かりやすい英語にするように心がけでいます。

とは言っても、あまり意訳ばかりしていては、翻訳とは言えなくなるので、どこまでオリジナルの文章に忠実に書くのかの線引きが難しいと思います。あとは、日本語は主語がなくても通じるので、主語がない文章が本当に多いです。背景を分かっていればその文章の主語が書いていなくても分かるのでしょうが、背景が分からない者にとっては主語が何か分からないので、確認しなくては分からない時があります。その為、翻訳するだけであってもその分野に関してよく勉強しておく必要があると思います。