通訳は「ちょっと分かる」が一番面倒

中国語の会話のレッスンを受けていたので、学校行事のイベント通訳の仕事をしたことがあります。
とある大学のイベントで中国語から日本語に通訳を依頼されたのですが、その依頼内容は正確には通訳ではなく、学生の通訳のサポートでした。
中国人の学生さんが日本語に直した言葉を、原文と照らし合わせてその都度修正をしたのですが、これがまた厄介でした。

伝えようとしていることは何となくわかるのですが、とにかく文法や表現がめちゃくちゃでした。
私は片っ端から修正していき、なんとか通訳をしたのですが、ここからが大変でした。
なんと、最初に通訳した中国人の学生さんが、真っ赤な顔で詰め寄ってきたのです。

学生さんは早口で「自分の日本語がどうおかしいのか?」「どうして意味わかるのにあえて変えるんだ?」「そうやってこちらのメンツをつぶすのか?」と最後はケンカ腰で質問を投げかけてきました。
私は業務として日本人が聞くことを前提に通訳を修正しているのだけなのに、なんでこんなことに…。
勉強熱心なのはわかりますが、とにかく説明が大変でした。これなら最初から100%自分で通訳をしたほうが良かったです。

以前台湾に遊びに旅行に行った際、台北市内のモダンで綺麗なカフェに入ったことがありました。外国人も何人か入っていて、国際的と言えば国際的な雰囲気もありましたね。ドリンクメニューには中国語の横に英語訳が書いてありましたが、英語訳の方を見ていた私は、「ラテ」という意味の「ナーティエ」という単語が目に入りました。感じは「拿鉄」と書くのですが、英語訳を見た瞬間笑ってしまいました。

「take iron」と、直接漢字の意味を訳してある英語訳でしたが、一瞬馬鹿にされているのかと思ってしまいました。近くに座っているアメリカ人らしき人が私に「take ironはどういうドリンク?」と英語で聞いてきたので、中国語も英語も分かる私は本当の意味を教え、なぜそういう訳になったのかを説明しました。アメリカ人の方は笑った後、「君のおかげでとてもよく分かった」とお礼を言われました。まさか台湾では外国人の私が外国語をそういう形で訳す役目を担当することになるなんて思ってもいなかったので自分でも思わず笑ってしまいました。